新原歯科医院

院長ブログ

アーカイブ: 11月 2013

サリンジャー、ディンギーで(小船のほとり)

私が高校生の時にサリンジャーの「九つの物語」を読みました。内容は殆どおぼえていません。一つだけ、やけに印象に残ったのは、「ディンギーで」(今は、小船のほとり、と言うらしいですね。)と言う短編で、まったく意味が理解出来なかったところがあったという事です。

 

このことを書こうと思い、立ち読みしたり、ネットで調べてみたら、その前、その後で何人もの人の訳本があるんですね。知りませんでした。

 

私が覚えているのは、小さな子供が、ある人たちが自分の父親のことをタコだ、と陰口を言っているのを聞いてしまい、ショックを受けた。お母さんと話していて、「僕は凧になって空に飛んで行ってしまうの?」

 

よく覚えてないんですが、かなり原文と違うかも知れませんが、そんな感じだったと思います。前後の文章をよく読んでも全く意味がわかりませんでした。

 

その後、アメリカで大学に入り、多少ヴォキャブラリーが増え、「Kike」と「Kite」を聞き違えたのだと理解出来ました。

 

Kikeは「ユダヤ野郎!」みたいにユダヤ人を軽蔑した言葉です。Kiteは凧のことです。小さな子供だから、まだ語彙が多くないんですね。こんな悪いスラングを知るようになるまでには少しまだ早い年齢です。子供でも凧は知っています。

 

なんで凧って言ってるのかわからないけど、口ぶりから、悪口を言っているらしいことは感じたのですね。それでとても悲しくなって小舟に引きこもってしまったわけです。

 

これは訳すの難しいですよね。ネットで見たらこのことを書いている人が結構いました。サリンジャーを好きな方たちには当たり前の話なのかも知れません。

 

そして、今本屋さんで売っている本は私が読んだものより少し後の物のようです。古い文庫本はすぐ絶版になりますから、なかなか見つからないのかなぁ。

 

先日本屋さんで立ち読みしたのは、野崎さんと言う人の訳ですが、タコを「ユダ公」、「ユダコ」と言う単語を使っています。その前後の文によって、凧とユダ公を勘違いしている事がわかるように(かなり苦しいですけれど)なっています。

 

でも、やはり英語のニュアンスは伝えられていないかなぁ。いやぁ・・、翻訳家さんたちの仕事って大変ですね。ある意味アートだと思います。逆に日本の、夏目漱石の草枕の「智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角人の世は住みにくい。」なんて、英語にするの大変だろうなぁ。

 

漱石の本ならきっと英訳されているんでしょうけれど、いったいどう訳しているんでしょうね。漱石の言葉の美しい、ちょっと小じゃれな流れを伝えるの難しかったでしょうね。歌を訳詩する場合は、多少意味が変わっても許されるところがありますが、小説はそうは行きませんものね。いやいや、大変だ。

 カテゴリ:未分類

アメリカで歯医者がグローブを使い始めた理由

今は殆どの歯医者が治療用グローブを使っています。でも私がアメリカで歯科大にいた頃は、まだ歯医者はグローブを使わず、素手で治療していました。口腔外科や歯周外科の手術のときだけグローブを使っていました。

 

1983年に日本に帰って来て、翌年の日本の国家試験に合格し、84年から働き始めましたが、日本でも当時は殆どの歯医者は素手で治療していましたね。

 

一日に何十回も手を洗って(治療台から離れるたびに洗いましたから)いたので、冬などは手が荒れて大変でした。

 

その頃からアメリカでは歯医者が治療にグローブを使うようになりました。なぜでしょうか?

 

エイズと言う病気がどんどん広まりはじめたからです。私がカリフォルニアで歯科大に在学していた1981年に、サンフランシスコやロサンゼルスのあるコミュニティー(同性愛者ですね)の人たちに奇妙な病気がはやり始め、Aidsと言う病名がつけられました。(acquired immunodeficiency syndrome)

 

あっと言う間にゲイ以外のひとたちにも広まりはじめました。初めのうちは治療法がなく、潜伏期間は長いけれど、発症するとほぼ100パーセント死に至る病でした。

 

幸い日本ではいまだにエイズに感染、発症した人はそう多くありませんが、アフリカの一部の国では3人に一人くらいいるそうです。アメリカだもそこまでは行きませんが、当時はどんどん感染者が増加していった時代でした。

 

エイズから自分の身を守るために歯科医たちはグローブを付け、ゴーグルをかけ、重装備で治療にあたるようになったのです。ボクシングの試合のときにレフェリーがゴムのグローブをつけるのと同じ理由です。

 

でも、そういうことは既に忘れ去られ、患者さんのために清潔さを保つためにしていると、今では思われているでしょうね。グローブをしていたって、よく洗わなければいけないし、席を立って、何かに触ってから手を洗わなかったら清潔ではないですよね。

 

実は口の中は元々バイキンだらけですから、外科の手術時の時ほどは清潔域、不潔域の区別にあまり意味はありません。もちろん清潔な手で治療しなければいけませんが、手袋をせずとも良く洗った手なら全く問題なく、穴の開いた手袋をするよりはずっといい。だから昔はグローブは使いませんでした。

 

アメリカで治療用グローブを皆使うようになってから、日本でもグローブを使うようになって来ました。多分その理由をよく考えていた人は少なかったんではないかな?今は当たり前のようにグローブをしますので、誰も何の疑問も持ちません。

 

私がグローブを使い始めた理由は、私の手がオキアミ・アレルギーになってしまったからです。ゴルフをやらなくなってから。釣りが好きになり、毎月千葉の海に船釣りに行っていました。その餌にオキアミと言うエビのような形のプランクトンを使います。

 

ある一時期から、釣りから帰ると手の皮がボロボロむけるようになりました。一週間ほどかけて一皮むけるときれいになります。その間は手の表面がみじめな状態で、この手で人様の口の中を治療するのはあまりに申し訳なく、グローブを使いはじめたのです。

 

ずっと素手で仕事して来ましたから、正直今でも苦手です。手指の微妙な感覚がなくなるからです。また、細いファイルと言う器具を使う歯内療法(根管治療)では、ファイルにゴムがからまって、使いづらいことこの上なしです。

 

今は釣りの代わりに月一ゴルファーです。ほとんどのゴルファーは左手にグローブを付けます。私にとっては手の皮が一番フィットするグローブなので素手でグリップを握ります。友達は不思議がりますが、皮一枚挟まるだけで感覚が鈍るように感じてだめなんですね。

 

今は釣りに殆ど行かなくなって、手はきれいですが、今の時代に素手で治療したら、患者さんはきっといやな思いをするでしょう。ま、私も昔のように一日何十回も素手を洗うことがなくなって、手は荒れないのでいいのですが。

 

思い込みと言うものは面白い(?)ですね。自分のために始めたことが、いつの間にか患者さんの為にしているように思われています。それもまた良い事なのかな?

 カテゴリ:アメリカの歯医者の話

Packman is Back・(パックマン・イズ・バック)

あの衝撃的なKO負けから約一年、マニー・(パックマン)パッキャオが戻って来ました。フィリピンの国会議員でもある彼は、「この試合を台風による未曾有の被害にあっている母国の人々に捧げる」と言って試合に臨みました。

 

リオスも強いボクサーですが、殆どフルマークの圧勝でした。ただ、いいパンチもいくつか貰っていたし、リオスのパンチは最後まで死んでいませんでした。

 

前回、決めに行ったところに見事にカウンターを合わせられてマルケスに敗れた反省もあったのかも知れませんが、全盛期の飛び込みの速さがあったのかどうか?解説陣が言うほどの圧勝だったのでしょうか?

 

でも世界のトップの試合は本当に一秒たりとも目が離せない12ラウンドでした。いろんな団体が世界チャンピォンを乱造している今、世界にあまり評価されない複数階級制覇チャンピォンもいますが、この人たちの試合はタイトルマッチなんか関係ないよ、と言っているようなファイトでしたね。

 

今度こそメイウェザー戦は実現するのでしょうか?もう数年前にやってほしかったですけれどね。でもやることになれば、世紀のファイトと言われるでしょうね。

 

近い将来、内山選手や村田選手たちにも是非こういう晴れ舞台にたってもらいたいなぁ・・・。山中、井上選手・・・、久々に素晴らしい日本人ボクサーが育っています。期待したいですね。

 

マジカルボックス・佐藤選手、潔い引退でした。もっとやって欲しかったと思うのは私だけではないでしょう。彼の代わりに赤穂選手に期待します。(実はつい先日、砂町Arioのヨーカドー食品売り場で佐藤選手を見かけました。近所に住んでるのかなぁ?感動です。)

 カテゴリ:スポーツの話

11/23/2013・小岩コチ・清水くるみ(P)、米木康志(B)、原大力(D)

また行ってしまいました。ドラムは原さん。いつもほんとにカッコイイです。パワフルだけどドラムの音がクリアで、きれいなんだよなぁ(見かけはごついんだけど…失礼!)。ブラッシングは優しく繊細。大坂さんとは個性が違うけど、大好きなドラマーです。

 

ミュージシャンたちに一目おかれているベースの米木さん。相変わらずビートの効いたサウンドです。清水さんは、すみません、知りませんでした。子育てでしばらく休んでいたのでしょうか?でもグルーブ感たっぷりの最高のピアノでした。

 

最後は盛り上がりましたねぇ。三人の音が見事にからみあって、ミュージシャンもお客さんも宮崎マスターも、みんな笑顔でジャズを楽しみました。コチ最高!

 カテゴリ:音楽の話

イブラヒモビッチ 対 ロナウド

日本のベルギー戦は、当たり前のように勝つと信じていたので、驚きもしませんでした。セルジオ越後さんが初めて日本代表の強さを認めたコメントをしていたのが嬉しかったですね。ディフェンスのミスを除けばいい試合をしました。

 

本当に日本を愛するセルジオさんだからこそ、甘やかすことなくずっと厳しい言葉をかけて来たのだと思います。やっとそれに日本代表が答えてくれたと言うことでしょうか。喜びを隠し切れないセルジオさんのコメントが印象的でした。

 

それよりもポルトガル対スエーデンの試合です。ロナウドとイブラヒモビッチ、すごかったですねぇ・・。二人が全得点をあげました。ロナウドの2点目、全速力で走るロナウドにどんぴしゃのパス。

 

私は実はあまり詳しくなくて、この二人以外の名前を知りません。アルメイダ選手でしょうか、このパスを出したのは。トップスピードでボールを拾い、スピードを落とすことなくボールをコントロールし、ゴールを決めきるロナウドもすごいけど、(他の2点もですが)ああいうパスを出せるのがすごい。

 

昔、中田ヒデ選手もああいうギリギリのスルーパス得意でしたね。ただ当時の日本代表には、足元でボールをもらいたがる選手が多く、中田選手のパスに届く選手がいませんでした。

 

ロナウドはもちろん自分で持ち込んでシュートを決めるすごさもありますが、素晴らしいパスを送れる選手がいて、それに答えられるからすごいんですね。あとの2点をアシストしたのは、モウチーニョと言う選手だそうですが、それも素晴らしいパスでしたね。

 

それにしても、イブラヒモビッチがワールドカップに出れないなんて、なんとヨーロッパのサッカーはレベルが高いのでしょう!サッカーの文化と歴史の差でしょうか。

 

ちなみにポルトガル、スエーデン、ベルギーの人口はそれぞれ一千万人前後です。オランダは千七百万人弱だそうです。人口一億二千七百万人の大国ニッポン(まさか、いまだに日本が小国だと思っている人はいないでしょうね)、もっと強くなれるはずだと思うのは私だけでしょうか?

 カテゴリ:スポーツの話

冷たいものにしみる・原因不明

いろいろな原因で歯が冷たいものにしみる話をしてきました。原因がわかるとよいのですが、原因不明で痛みを感じるケースもあります。最後までわからないこともあります。

 

虫歯がなくとも、なんらかの原因(例えば外傷で)歯髄が炎症を起こしているとき、壊死に近くなれば電気歯髄診断機でわかることもあります。

 

ただ疲れがたまっていて体調不良のとき、睡眠不足のとき、原因はわかりませんが水にしみたり、咬合痛が出ることがあります。精神的なストレスがたまっているときにそういう症状が出ることもあります。

 

なぜそうなるのかわかりませんが、歯は思いもしないことから繊細な症状をともなうことがあります。

 

あるとき、ある患者さんがあっちこっちの歯が冷たいものに強くしみて、絶対虫歯だろうと信じて私のクリニックにかけこんでいらした事があります。目視でもレントゲンを撮って見ても、どこも悪いところが見当たりませんでした。

 

体調を聞くと、IT関係の仕事らしいのですが、忙しい時期で2~3週間睡眠時間が極端に少なくなっていて、徹夜も度々しているとのことでした。

 

おそらく体調によって、複数の歯が繊細で過敏になっているだけで虫歯ではないと、お話しました。しかし患者さんはこんなにしみるのに虫歯に決まっていると思っていますから、納得してくれません。

 

でも私も悪くない歯の神経をとったりするわけには行きませんから、こういうこともあるのだと言う事を何度も説明して、とにかく少しでも身体を休ませることをお願いしました。

 

とても不服そうに帰られましたが、予後を見るついでにクリーニングの予約を一週間後に入れました。当日、晴れ晴れとした表情でいらっしゃいました。仕事が一段落して2~3日ゆっくり休んだら、すっかり痛みがとれたとのことでした。

 

私も少し信頼を回復出来たし、なにより悪くないのに歯を削ったりしないですんだことが本当に良かったし、患者さんも喜んでくれてほんとうによかったと思いました。

 

人間の身体は本当にうまく出来ていると共にとても繊細でもあります。私たちは悪くなったところを元通りには出来ません。少しでも良くなるようにお手伝いしている、と言ったところでしょうか。

 

 

 カテゴリ:歯の話

アミノピュアの使い方

アミノピュアにはいろいろな効用がありますが、口内炎やアトピーのように皮膚に関する疾患だけでなく、筋肉を含めたいろいろな細胞の新陳代謝を高めたり、身心の疲れが取れやすくするような効果も期待できます。

 

また、抗うつ作用もあると言われていますし、二日酔いの予防にも良いし、皮膚に良いのだから美肌効果も期待出来るそうです。そういうところは私の関知するところではありませんけれど・・・。

 

使用する量は一日10gm程度から、と書かれていますが、激しいスポーツをされる方、そして口内炎やアトピーなど、皮膚の症状がすでに表れている方、抗がん剤の副作用(吐き気など)の予防などには、多めの量を服用することが勧められています。

 

一日20~30gm、(激しいスポーツをなさる方はもっと多く使うようです)それをしばらく続けることが重要です。一度使っただけで疲れがとれたと実感するかたもいますが、皮膚の症状が出ている方は2~3週間は続けないと効果が感じられないかもしれません。

 

効果には個人差もありますが、試してみる価値はあると思います。ジムなどでトレーニングなさっている方はゴールド・ジムのL-グルタミンパウダーをご存じの方も多いのではないかな?成分は同じですが、メーカーによって主張する有意点があると思いますが、それは使われる方が判断されればいいのでしょう。

 カテゴリ:歯の話

サッカー、アメリカ vs 世界選抜

いやぁ・・、オランダ戦、勝つべき試合でしたね。でも、辛口のセルジオ越後さんが、珍しくほんのちょっぴり褒めていましたから驚きました。いい試合をしましたね。私の学生時代から考えたら、本当に日本代表は強くなりましたね。

 

本田選手、香川選手も良かったけど、やはり遠藤選手がいると違いますね。余裕を持ってボールをさばいてくれるから試合が落ち着きます。柿谷君、悔しかっただろなぁ・・・。次に期待しましょう。

 

1973年にカリフォルニアのPacific Union Collegeに入学しました。学生数二千人くらいの小さな大学です。

 

小さな大学でも、普通はバスケットとかフットボールとか、学校を代表するチームを持っているのですが、PUCは母体のSDAキリスト教会の方針で、Varsityのチームがありませんでした。

 

でも学内では、Intramural(学内の球技大会)がいろんなスポーツで行われていました。バスケットボールでは全くかなわないのですが、サッカーは逆でした。

 

その当時、米国でもやっとサッカーが認知されて少しづつ子供たちがプレーするようになってきていましたが、世界の他の国々からみればレベルはまだまだ・・・、でした。

 

私の他にも留学生がいました。みんなサッカー大好きでした。、スペイン、フランス、南アフリカ、インド、からの留学生たちと一緒にチームを作りました。あとメキシコ系のアメリカ人も上手な子がいましたので彼らも含め、「俺たちは世界選抜だぜ!」などと言って楽しんでいました。

 

他のチームとの試合は、すべて圧勝でした。私は高校は卓球部だったんですが、遊びでいろんなスポーツはやっていました。サッカーも、リフティング30回くらい出来る程度でしたが、当時は素人にしてはそこそこだったんです。

 

私の母校、七高(都立墨田川高校)のサッカー部は私が一年の時に、東京都でベスト8に入りましたが、サッカー部の同級生でも、リフティングだけなら私と変わらない人もいました。二年に何人か上手な選手がいたので強かったんです。でも今の高校生はそのころとは比べ物にならないテクニックを持っていますね。

 

どんどん日本の子供たちが上手になって、あわやオランダに勝てるところまで来たのですから。隔世の感があります。来年のワールドカップが楽しみですね。

 

1974年、米国、加州、ナパ郡、AngwinにあったPUCでは私が所属していた世界選抜がアメリカチームを圧倒しました。懐かしい思い出です。

 カテゴリ:スポーツの話

音の楽しみ方、パット・ブーンの言葉

音を楽しむ、と書いて音楽と読みます。いい単語ですね。中国語から来たんでしょうか?それともMusicを誰かが日本語に訳したんでしょうか?

 

音楽の楽しみ方にもいろいろあるようです。音楽を聴くときの聴き方にもいろいろあるようです。CDで聴く、ライブで聴く、自分で演奏する…等々。

 

何年か前に、TV(だったと思いますが)でパット・ブーンのドキュメンタリーのようなものを見ました。パット・ブーンは、そうですね70歳前後の女性ならみんな知っているのではないかなぁ?

 

甘いマスクと美しい声で世界中の人々、女性を魅了した有名な歌手ですね。私は6人兄弟の5番目なのですが、上の姉たちとだいぶ歳がはなれていまして、その姉たちがブーンさんの大ファンだったものですから、家にレコードがあり、私もよく聴きました。

 

そのパットさんが初めて日本で公演した時の事を語っているのをそのTV番組で見たのです。

 

ステージに立ち、一曲目を歌っている最中に「まずい!私の歌は日本の人たちには受けないみたいだ。どうしよう・・・。」かなり動揺しながら歌っていたそうです。

 

なぜかと言うと、お客さんたちみんな、下を向いて目を閉じて、怖い顔をして聴いていたからだそうです。

 

かなりビビリながら一曲目を歌い終わると、なんと万雷の拍手!「そうか、この国の人たちはこうやって音楽を楽しむんだ」とわかって、本当に安心してそれからはいっそう気持ちを込めて歌ったそうです。

 

今は、そういう人ばかりではないですが、(トニー・ベネットの公演の時などは本当に盛り上がっていましたから)確かにそうやって音を楽しむ人はいますよね。特にジャズとクラッシックに多いような気がします。

 

ある人に聞いたら、目を閉じてひとつひとつの音をしっかり聴きたい、と言っていました。他にも理由があるのでしょう。

 

私はビジュアルも含めて楽しんでいますし、ついつい騒いでしまう方なので、そういう方に迷惑をかけないようにしながら楽しんで行きたいと思っています。でもクラッシクは無理かな?じっと静かに聴き続けるのは少し私には苦痛で、楽しめそうもありません。

 カテゴリ:音楽の話

根管治療の後に歯が痛む話

虫歯が進行して歯髄が侵されて痛みが出た場合は、根管治療という治療をすることになります。歯髄が壊死していたり、古い根管治療のあとに根尖性歯周炎をおこしたあとも、やはり根管治療になります。

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歯の根の中に根管と言う管があり、根尖から歯冠の歯髄までをつないでいて、その中にも歯髄組織があります。それが侵されたとき、出来るだけきれいに歯髄組織を除去しなければなりません。

 

根尖(根の先端)までぎりぎりいっぱい、きれいにしたいのですが、どうしても多少は根尖の外の組織(歯根膜があり、そのまわりは骨です)を刺激します。ときおり刺激により、歯根膜が軽い炎症を起こし、術後の痛みにつながります。

 

根尖の外を刺激したくなくて、その手前で止めすぎると、感染歯髄を根尖に残してしまいます。実はその方が術後の痛みが出ないのです。

 

言い方は悪いですが、いいかげんにやった方が術後の痛みは少なく、簡単に終わります。しかし、残した歯髄が悪さをして、何年もたってから化膿性歯周炎を起こし、腫れや激痛に苦しむ確率が高くなります。

 

そうなると再治療しても成功率は7割程になるかと思います。最悪の場合は抜歯になります。

 

ですから、何パーセントかは術後の痛み、違和感が少しの間残ることはありますが、頑張って根尖まできれいにしたいのです。

 

前歯は単根で根管も太く、だいたいはまっすぐな形状ですが、大臼歯は3根(ときどき4~5根あることもあります)に枝分かれしていて、大きく湾曲していたり、かなり根管が細いときもあります。

 

極端に困難でなければ、奥歯の歯髄をきれいに除去、クリーニングするのに一時間弱あればなんとかなりますが、その根の形状によってはかなり時間がかかります。まれにはあまりに湾曲が強すぎて、殆ど完全(完全はないのですが)に治療することは不可能と言っていいこともあります。

 

術後に多少痛みが残っても、普通は一週間以内におさまりますが、まれには2~3か月咬合痛が残ることもあります。技術にもよりますが、この治療の副作用として、仕方がないところがあるのです。

 

本当に上手に根管治療を終えても、数パーセントは予後に問題が起こる、と大学で習いました。私の経験上、その通りだと感じています。

 

前にアメリカの歯科事情を書いたことがありますが、米国では専門化されていて、根管治療(歯内療法)の専門医がいて、その人たちにまかせることが出来ます。日本ではみんな自分でやるしかないので、私も若いころは講習会に行ったりずいぶん練習しました。

 

痛くならないと歯医者に来ない人が多いんですから、いやでもこの治療から始めることが多く、ある意味アメリカの専門医よりも技術が高い部分もあるかもしれません。

 

昔の日本の根の治療は、少し時代遅れな部分があって、(今は殆ど見ませんが)そういう古い治療の再治療は時々ひどく困難を極めました。アメリカではそういうケースは殆どないですから、そういう治療をする経験は得られません。その方が楽ですけれど・・・。

 

また、この治療は、昔からあまり療法の進化が見られない治療です。結局こつこつとファイルという器具で(英語でやすりと言う意味です)根管壁の感染歯髄、歯質(痛みやいろんな問題の原因ですね)をクリーニングするしかないのですから。

 

原始的といってもおかしくないくらいで、我々はたいしたことは出来ないのですね。あまりえらそうなことは言えません。

 

残念ながら私たちの力不足で、一度悪くなったものを完璧に元通りには出来ません。少しでも力になれるように日々努力はしていますが、人間の出来ることはあまり大したことではないのかもしれません。

 

なるべくあまり悪くならない内に、もよりの歯医者へ行って頂ければ・・・、とお願いしたく思います。

 カテゴリ:歯の話

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