新原歯科医院

根本先生のブログ

アーカイブ: 1月 2018

口腔ケアからのインフルエンザ対策

(質問)インフルエンザが流行しています。 予防に口腔ケアが有効だと聞いたのですが 本当ですか?

(答)ある調査では高齢者施設で口腔ケアをしっかりと行った結果インフルエンザ発生が 10分の1になったという結果が出ています
またある学校では生徒の口腔ケアを行った結果、周囲の学校よりもインフルエンザ発生率が下がったという報告もあります。
このように口腔ケアはインフルエンザ対策に有効だと言えると思います。

(質問)口の中とインフルエンザの関係を説明してください?

(答)まず口腔内の細菌とインフルエンザ・ウィルスの関係を説明しましょう。
口腔内には細菌が何億もいますがその細菌によって作り出される酵素があります。
その酵素はインフルエンザのウィルスを粘膜に侵入しやすくしてしまうので、口腔内が汚れていればいるほど 沢山のウィルスが体内に侵入してしまいます。

さらに、口腔内の細菌が作り出す別の酵素は、タミフルなどのインフルエンザの治療薬の働きを妨害することが
わかっています。 ですのでせっかくタミフルなどの治療薬を服用しても口腔ケアをしないままでいると、薬の
効能を抑えてしまい、インフルエンザの治りにも影響してしまうのです。

(質問)それではどうすれば良いですか?

(答)簡単です。 「丁寧に口の中をキレイにする!」です。 いくつかのポイトをあげて見ます。まず、以前はインフルエンザ予防に「マスク」「手洗い」「うがい」があげられていましたが、今では厚生省の予防対策に「うがい」は入っていません。
口に入ってきたウイルスを「うがい」で流してしまうのですが、呼吸しているとひっきりなしに種々の細菌が口に入って来るので、1日に数回「うがい」しても間に合わないのです。

ある調査では「うがい」は「風邪」の予防には有効であり、インフルエンザにはそれほど、という報告があります。 ですのでやらないよりはやった方が良い程度に考えれば良いのでしょう。

口腔ケアで有効なのは「歯磨き」と「舌」の掃除です。まず歯磨きは特に寝る前に丁寧しましょう。口腔内の細菌は夜に増殖しやすいので、寝る前によく磨いて細菌を減らしておくのが有効です。 その意味では、朝食前にも磨きましょう。 夜に増えた菌を食事前に流してしまうのも一定の効果があると考えられます。
次に「舌」ですが、「舌」の表面に細菌が付着するので、歯ブラシで軽く掃除するか、指にガーゼを巻いて舌の表面をなぞってキレイにするのも効果的です。

最後に:インフルエンザの予防に口腔ケアだけが有効なわけではありません。 ゆっくり休んで体調を整える、暴飲暴食をしないなども大切ですが、口腔ケアはそれらの中の有効な対策の一つだということを覚えておいてください。

最後にもう一つ:手洗いする前の手で顔を触らないことも有効な対策です。
汚れた手で目をこすったり、鼻を触ると、手についた細菌を目や鼻の粘膜になすりつけることになるので、気をつけてください。

 カテゴリ:歯の諸々

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