新原歯科医院

根本先生のブログ

歯周病菌と全身疾患

(質問) 歯周病菌が脳梗塞や心筋梗塞などを起こす可能性がありますか? 

     

(答)まず誤解のないように・・・・

 

 心筋梗塞、脳梗塞などは一つの原因だけで起る訳ではありません。 歯周病菌はそれらの病気の原因の一つ、または悪化させる要因の一つになりうるということです。

 

 口の中には良いもの、悪いのを含めて何億もの菌が住んでいます。 口をちゃんと手入れしないと悪い菌によって虫歯は歯周病が引き起こされます。 歯周病で腫れた歯茎の中には沢山の菌が存在しますが、それが歯茎の中の毛細血管を通って全身に広がります。

 

 歯周病菌が血管を通るときに、菌が出す毒素が血管の壁に炎症を引き起こし、血管に傷をつけて動脈硬化を進行させ、血液に作用して血栓の原因になります。 実際に心筋梗塞などの場所から歯周病菌が検出されています。

 

 歯周病が悪化している人は、心臓病のリスクが1.5~3.5倍、脳梗塞のリスクが約3倍弱と言われています。

 

 例えば歯周病を処置しなければ、歯周病菌で血栓を作ろうとするので、それらの病気のために血液をサラサラにする薬を服用していても、薬の効果を低下させてしまいます。

 

 また心臓弁膜症がある場合には歯周病菌が心臓弁に付着して、最悪だと命に関わることもあります。

 

 それなので心臓弁膜症がある場合は歯科治療前に抗生物質を服用することもあります。

 

 最近では、心臓病や脳疾患の治療をする前に歯周病や虫歯をしっかりと治療するように指示されるようになってきています。 逆に言うと、そのような指示を出す病院はちゃんとしているとも言えます。

 

 歯周病は全国民の約80%が罹患していると言われています。 

 

歯周病を簡単に言うと歯周病菌が歯や歯茎に付着し、その炎症によって歯を支える歯茎やあご骨がダメージを受ける病気です。 実際に抜歯の原因の40%以上が歯周病です。

 

(質問) 歯周病の見つけ方は? 

 

(答)歯周病はサイレントキラーとよばれ、初期はほぼ症状がありません。  

           

もし歯茎から出血する、歯茎が腫れぼったいなどを感じたらなるべく早く歯医者に診察してもらいましょう。

 

それよりも、悪くなる前に歯医者で定期検診を受けるのが一番ですし、悪化させないための一番の予防策です。

  カテゴリ:歯の諸々

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